Jones Dairy Farm ② ジョーンズデイリーファームの工場見学(高品質無添加へのこだわり)
Jones Dairy Farm ①の続きです。
Jones Dairy Farmでは、ハム・ベーコン・ソーセージといった様々な加工肉製品が製造されています。
こちらはJones Dairy Farmの工場です。とってもとっても大きな工場でした。
アメリカや日本のコストコで販売されている全ての製品は、現地のこの工場のみで生産されているのだそうです。
工場内は完全なるクリーンルームで、撮影用のカメラはもちろん、金属製のアクセサリーや髪留めなども全て取り外しての入場でしたので、申し訳ありませんが工場内の写真はありません。スミマセン。。
工場内に入るためのユニフォームです。アメリカンサイズのウェアはブカブカでした。笑
ちなみにマスク的なものは、口元に髭が生えている方が装着する必要があるものなので、私には必要ありませんでした。(ノリで装着してみました!)
生挽肉の保管場所から、スパイスを混ぜ合わせる機械、成形したものをオーブンで焼き上げる場所、見慣れたパッケージに詰められて製品化されていく様子まで、工場内を隅々まで案内して頂きました。
また、工場の外にはラボと呼ばれているJones社専用の自社検査室がありまして、そちらも案内して頂くことができました。
ラボでは最新の設備機器で商品の安全性に問題が無いか、細菌・理化学検査を毎日行っているそうです。これにより万が一、何らかの問題が発生しても即座に対応することができる!というわけですね。
特に印象的だったのが、チェリーウッドやヒッコリーのスモークチップを実際に燻し、大量の燻煙をスモーク部屋へ送り出しているところ。。
当たり前なのかもしれませんが、無添加なのでいわゆるスモーク液みたいなものは一切使われておらず「燻製」と聞いて想像する当たり前だけどすごく手間のかかる方法で製造されていたということです。
また、ドライエイジングという温度・湿度・風・微生物が完璧に管理された専用の熟成部屋で、美味しそうなベーコンがゆっくり熟成されている様子なども見ることができました。
このお部屋でお肉を管理するだけでも、どれだけの手間とコストがかかっているのか・・・計り知れません。
あと印象的だったのが、これだけの生肉を取り扱う環境でも、お肉のイヤな匂いなどはどこへ行っても一切ないんですよ。いちいちお部屋がいくつにも区分けされており、様々なところでJones社のこだわりを感じることができました。
私は、こういった加工肉メーカーさんの工場見学は初めてだったので、いろいろ見て回ってもウワー!ウワー!としか思えなかった、というのが正直なところなのですが
実は今回、私の他にも日本から輸入品の卸売をされている会社の偉い人や、日本で有名なレストラン・カフェを運営している会社の偉い人・シェフさんなども、同じように工場見学に招待されていて一緒に回ったんですよね。
お仕事柄、こういった視察によく行ってらっしゃる皆さんも同じようにJones Dairy Farmの工場を見て、とても清潔で綺麗な工場。こだわりがすごい!という感じで評価されていたので、目が肥えた方から見ても、すごいメーカーさんなんだなぁ〜と思ったりしました。
高品質へのこだわり
品質の良い原料で製品を作るということについて。ここからは別のお部屋で、実際に製品に使われているお肉の部位についてご説明頂いた内容になります。
2つの豚ばら肉が並んでいます。左側が日本のコストコでも販売されている、Jones社のドライエイジセンターカットスライスベーコンで使用しているお肉。右側が他社で一般的に使用されているベーコン用のお肉です。
これがどういうことを表しているのか?
同じ豚ばら肉で作るベーコンでも、Jones社はベーコンにするのに適した、質が良い部分だけを取り出して使用します。
脂が多い部分や膜・スジなどを取り除き、美味しいベーコンを作るのに適した部分のみを切り出した結果、実際に製品として使える部位は他社よりかなり小さくなってしまう!というわけですね。
こちらが、コストコ店頭に並んでいるパッキングされた、ドライエイジセンターカットスライスベーコンです。
商品名に「センターカット」と書かれているのがどういうことなのかわからなかったのですが、実際に見たことで納得できました。なるほどね〜センターの部分のみカットしたベーコンということなんですね。
製品づくりにこだわればこだわるほど当然、原材料のコストも高くならざるをえないし手間もかかります。でも、品質の良い部分のみを使うというのはJones社が大事にしているところのひとつで、やはりそれは実際に食べた時の食味に大きく違いが出てくるのだそうです。
日本酒で言うところの純米大吟醸しか作らないJones社に対し、他メーカーは醸造酒を作っているといったイメージでしょうか。。
それだけなら良いのですが、とても安い価格で販売されているベーコンの中には、原料のお肉にインジェクション(注射)といって、「水溶液」を注入することで、元の原料を増やして製造・加工しているメーカーさんも沢山あるそうなのですよ。
しかもそれが粗悪なメーカーさんだけというわけではなく、加工肉業界では当たり前に行われているというのだからビックリです・・・。この手の話の恐ろしいところは「こういうものがある」じゃなくて「こういうものがほとんど」だということ。
その分、単価は当然安くなるし、添加物を使えば熟成させる期間も短く、コストダウンにもなります。安いものは当然、安い理由があるということなのでしょうね。
いや本当に、お肉だと思って食べていたものは一体何なんだ〜!!って話ですよね( ゚д゚)
こちらはポークソーセージに使用している原材料の説明です。
Jones社で使われているソーセージのお肉は、ロース・バラ・もも・肩の付根あたりのみのお肉であり、左側に積まれた腕や首元、頭周辺のお肉は一切使用しないのだそうです。もちろん骨や筋といった余計なものは全て除去されています。
ソーセージに使わないというお肉の山を眺めながら、ソーセージこそお肉をミンチにして作るものだから多少のスジなんかは入っていても良いのでは?なんて思ってしまうのですが、こちらも130年間守られた伝統的なレシピのひとつで、やはり食味に大きな違いが出てくるため、こだわりたいところなのだそうです。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、左側がJones社のソーセージ。右側が他社によるソーセージの原料の説明をされているところです。
Jones社のソーセージは厳選されたお肉と少ない水、それに塩とスパイスだけで作られているのに対し、他社のものは筋や細かい骨なども混じった部位のお肉に大量の水を加え、保存性を高めるために保存料を加え、スモークの香りがする香料を加え、栄養価を高めるためにプロテインパウダーを加え・・・と、どんどんお肉以外の別の何かで満たされていきます。
この比較は多少大げさに表現している部分もあるのかもしれませんが、私にとっては実際に目で見て確認できたという意味でインパクト抜群でした!
いやホント、スモークフレーバーなんて本当にめっちゃスモークの良い香りで人工的なものだとわかっていてもちょっと癒やされてしまいましたし、これがソーセージに加えられていたら普通に美味しいだろうな〜なんて思っちゃいましたもん。( ゚д゚)
これで手軽に風味が付けられるのであれば、わざわざ手間のかかるスモークの工程なんて必要無いし、保存料が入っていれば時間をかけて熟成させる必要もありませんからね・・・。
色々加えれば、商品をより安く・より効率的に生産する方法なんていくらでもあるんだなぁ〜と、あらためて知ることができました。
とにかく・・・Jones社がこだわる伝統的なレシピは、お金と手間がめちゃくちゃかかります。
「ALL NATURAL(使用されているものは全て天然の成分)」
「no msg added(グルタミン酸ナトリウム非使用)」
「no artificial ingredients(化学調味料非使用)」
「Gluten-Free(グルテンフリー)」
上記がなんども繰り返し説明されたJones Dairy Farmのこだわりになります。
これは、コストコで購入したJonesの商品にも同じように記載されていましたし、私も商品紹介時に同じように書いていて理解していたはずだったのですが
言葉で言うのは簡単でも、それを実現するためには、ものすごい手間と苦労と大きなコストがかかってるんだなということを、今回実際に工場を見学したことで、とてもよくわかりました。
ましてその品質を130年間保ち続けているわけですからね・・・。
それまでJones社の商品はどれもお値段が高いのよね〜くらいにしか思っていませんでしたが、これだけこだわりを持って作られているということがわかれば、そりゃまぁ、こうなるよね!( ゚д゚)と、今はちゃんと納得できます。
安心安全を提供するというだけでなく、ちゃんとお肉としての美味しさを消費者に届けたい!Jones社の皆さんの思いをしっかり受け止めることができた工場見学となりました。
今回、これらを記事にしたのは「Jones社の商品は安心安全だから皆コストコで買おうね!!」 というわけではないんですよ。他のメーカーさんも私が知らないだけで、同じようにこだわって製品を作っていらっしゃるところも沢山あると思いますし。。
ただ、自分や家族が口に入れるものについて、もう少し興味関心を持って調べてみるって本当に大事だな〜と思ったんです。
お店で商品を選ぶ時って、なんとなく100gあたりの価格を見てお得感があるものを選んだり、なんとなく見知ったメーカーさんのものを無意識に手に取ったり、逆に馴染みの無いメーカーさんの商品は、よくわからないし〜という理由で選ばなかったりしていましたが
ちゃんと興味を持って手にとってみると、裏面に原材料表記はもちろん、メーカーさんのこだわりみたいなものもきちんと書かれていますし、もっと詳しく知ろうと思えば、今はネットなどで情報公開されているところも多いので、調べようと思えばどれだけでも知ることができます。
選ぶ側の私達が自分の手が届く範囲でできることって、たぶん他にも色々あると思うんですよね。
なんとなくで商品を選ぶのではなく、もっと自分から色々興味を持って知ろうとするだけで、新しい情報をどんどん得ることができるし、その上で選択肢を増やしていくことができます。
そして、それはきっとこれから自分が欲しいと思う商品を選んでいく上で、とても大事なことだなと考えるようになりました。
特に私自身、今回のJones Dairy Farmの工場見学をキッカケとして、加工肉関連の見方が大きく変わったと感じているので、本当に行って良かった!と心から思っています。
しかしながらあらためて、こういった日本ではあまり知られていないメーカーさんでも、良いものを積極的に取り扱ってくれるコストコはやっぱり素晴らしいお店だな〜と思いましたし、信頼できるお店だと感じました。
そもそもJones社が日本ではコストコでしか小売販売していない、というのもやはり、コストコは高品質なものを取り扱うという信用があるからだと思うんですよね。私が大好きなコストコは思っていた通りのお店で、なんだか勝手に嬉しい気持ちになりました(´艸`*)
最後に、Jones Dairy Farmの製品を使ってつくった料理の紹介と、今後日本のコストコで販売予定となっている、現在未公開となっている商品をご紹介させて頂き、終わりにしたいと思います。もう少しだけお付き合いください。m(_ _)m
⇒Jones Dairy Farm ③ ジョーンズデイリーファームの製品でつくる料理いろいろ&コストコで販売予定の新商品
コメント
ジョーンズデイリーファームの工場見学、貴重な体験をコス子さん流にすごくわかりやすく楽しく読むことができました^^
カナディアンベーコンは仕事で何度か使っています。。無添加ベーコン、ソーセージ等他のお店では手に入りにくく、コストコでは多く取り扱っているので助かります。
材料がシンプルなだけに、添加物を使わず作るのってホント手間暇かかります。
私も小さなお店をやっていますが、美味しいパンを食べてほしくて、添加物をなるべく使わず作っています。
使っている商品の工場内部見られてすごくよかったです(^^)/
うさぎのぱん屋さん
本格的な工場見学は初めてだったのでどこから見て何を伝えられるのかがわからず、今回のレポートはちょっと不安だったで、わかりやすいと言っていただけてとても嬉しいです!
すごくためになりました。
好きなメーカーさんだったので
レポート読めてとても嬉しいです。
食品は毎日口にいれるものですから、
もっと考えて選んで商品を買わなければ、
と思いました。
バラ肉やモモ肉で、なんちゃってハム&ベーコンを自作するようになったのは、最初は添加物があまりに多いってのが理由です。でもやってみると、塩と砂糖とスパイスだけで、お肉が自分で美味しくなってくれると分かりました。
時間はかかるけど、無添加のハム&ベーコンと、茹で汁(燻製で中まで加熱するのは大変なんで、茹でてから燻して香りをつけてます)という、これまた無添加スープもどきが手に入ると思うと、かえってコスパいいんじゃないの?と考えるようになりました。
ハムやベーコンって本来は保存食なのに、パックを開けると、あっという間にペカペカに乾くかヌルヌル傷むかって変じゃないか?とも思っていたんです。インジェクションで調味料を吸わせカサ増しして作るからだと知って、余計買わなくなっちゃいました。
こちらのメーカー、ハムやベーコンの本来の意味に近いやり方を貫いているというのは貴重なことですね。
コストコでも加工肉コーナーはあまり見てこなかったけど、こうしたちゃんとしたものをおいてくださるのなら、覗いてみようかなって思います。
子供の頃は魚肉ソーセージや色付けされた紅いウィンナーも食べてましたが、お菓子作りに興味を持ち始めた頃からか不要な添加物や保存料・着色料などが気になるようになり、一人暮らしを始めてからはなるべく避けてきました。
決定打になったのは商社で食品添加物の営業マンだった男性が、自宅の食卓に自分が開発に関わった食品が並べられているのを見て、お子さん達に食べないよう言ったということを知ってからでしょうか。
ついつい原材料をチェックしたくなります。
昨年末、お正月に美味しいハムを食べたいな〜とコストコで物色していて、こちらのJonesのヒッコリースモークハムに目が止まりました。
原材料は、豚肉、醸造酢、食塩、セロリ汁、レモンピールパウダー、ジュニパーベリー、しょうが/調味料(無機塩)
植物性飼料で育てた抗生物質不使用の豚肉を原料に、Jones社を創業したJones家のホームレシピで作られましたとあり、とりわけ砂糖不使用でヒッコリースモーク、原材料のジュニパーベリーに惹きつけられました。
しかし先に美味しい物を食べたら元には戻れないと思い(笑)、お正月用にはもう一つ気になった伊藤ハムのホワイトロースハムを。
ところがその後賞味期限近くなっていた物が1,000円OFFに巡り合わせたのです!ラッキーと喜びましたが、せっかく食べるのなら賞味期限が迫っている物より正価のハムのほうが良いんじゃないかと思いつつも、もしかしたら当分このヒッコリースモークハムは入荷しないのかもと考え直して買いました。
コス子さんの先日のコストコ購入品の中にこのヒッコリースモークハムがあったのは、工場見学に行かれたからだったのでしょうか。レビュー記事楽しみにしています。
ノリで口元のマスクを着けるコス子さん。こんな茶目っ気もみなさんから愛される要素ですね❣️
現地で食べたヒッコリースモークハムがとても美味しかったので、家族にも食べさせたいと思ってコストコで買っちゃいました(´艸`*)
美味しいものを食べれば元には戻れないという気持ち、よくわかります!
コストコに行くたびに気になりつつも、割高だな〜とか、日本のじゃ無いしどうかな〜〜とか思いながら手に取ったり戻したり(;´Д`A
この記事を読んで、こんなに丁寧に作られていると知って割高でも一度買ってみようかな〜〜って心が動いています。
特に、ベーコンは焼いて朝に子供が食べていくのでとっても気になります。
あとは、新製品のポークパティ気になります。
最近、子供らが腹減りなんでおやつに良さそう
ちゃんと肉を熟成させて作ったヤツを食べると、調味料で作った味との違いに愕然とします。ウチでええ加減に作ったなんちゃってベーコンですら「あっ…もう戻れない」と思いましたから…
なぜにグローブをしてないのか気になってしまいました。 揚げ足取りでごめんなさい。
グローブを着用していないのはお肉に触れない見学者で、実際に扱う人はディスポーザブルの手袋を着用していました。
写真を撮った私の位置が悪く、一部、素手で精肉に触れているかのように見えてしまっていますね。申し訳ありません。
尚、こちらは実際の加工場ではなく加工の様子を見せるデモンストレーション用の部屋なので、こちらで使用したお肉が製品化されるわけではないようです。実際の加工場ではもっと厳重に管理されています。
アメリカに住んでいててこの頃特に 食中毒・衛生管理とかで注意されているレストランがとても多くなっているように思います。 もちろん責任者等もいるはずなのですが、曖昧になっているところも多くなっているので外食ができなくなってしまいました。 余程オーナーを知っているとか、働いている人を知っているとか以外は冒険できません。 毎日のようにTVニュースで見る画像は驚くばかりです。
カナディアンベーコン。 パンケーキと食べたりもちろんマフィンに挟んだり。 しょっぱすぎたりするものが多い加工肉。このブランドとファーマーズジョンがお気に入りです。
スーパーで買ったパンはいつまで経ってもカビが生えないけど、コストコのパンは油断してるとすぐにカビが生えてしまいます。
私にとってそれがとても安心です。
この記事を見てますます信頼できるスーパーとなりました。
コス子さんのレポートをみて、さっそくセンターカットベーコン買ってしまいました^_^
厚みがしっかりあるので、どうやって食べようかワクワクです!
コス子さん、わかりやすいレポートありがとうございます!とても勉強になりました。安いもの、わかりやすいブランドのもの、って今まで何も考えずに買っていましたが、自分が食べるものにもっと注目しなければいけないな、と考えさせられました。高いもの、安いものにはちゃんと理由がありますものね。なんとなく、ではなく意識して買うものを選択しようと思いました!長距離移動お疲れ様でした☆
加工食品は添加物が入っているのはしょうがないことだと思っていましたが、手間暇かけて添加物を使わないメーカーがアメリカにあるなんて!!
コス子さんが見学に行くなんて!!メーカーさんの気持ちがとっても伝わる記事でした。ヒッコリースモークハムかカナディアンベーコン試してみようと思います。